結論
SNS投稿や展示会で公開してしまっても、条件を満たせば『新規性喪失の例外』で特許を狙える可能性があります。
ただし、自動で助かる制度ではありません。
まず『公開日』が1年以内かを固め、次に『公開内容』を整理し、最後に必要な『手続』を落とさない。この順で進めるのが安全です。
- ポイント1:『公開日』を確定して、公開から1年以内かをはっきりさせる
- ポイント2:公開内容の整理
- ポイント3:しっかり手続する
※本記事は一般的な整理の考え方です。公開の態様や出願内容により結論が変わることがあります。
新商品や新技術は、つくっただけでは売れません。
まずは世の中に知ってもらう必要があります。
そのために『SNS』で発信したり、『展示会』に出展したりするのは、とても自然な流れです。
ところが、情報発信を進めたあとで、ふと気づくことがあります。
「これ、もしかして『特許』を出す前に『公開』しちゃってる…?」
そう思った瞬間に、不安が一気に出てきます。
では、すでに公開してしまった場合でも、特許を取れる可能性は残っているのでしょうか。
もし可能性があるなら、期限や手続をどう考えて、何から動けばいいのでしょうか。
ポイント3点の順で整理していきましょう。
ポイント1:『公開日』を確定して、公開から1年以内かをはっきりさせる
最初に固めるのは『公開日』です。
ここが曖昧だと、「まだ1年以内か」を判断できません。
特に注意したいのは、展示会当日が『公開日』とは限らないことです。
たとえば、次のように“前倒し”で世の中に出ていることがあります。
- 展示会より前に、出展者ページやカタログPDFがWeb公開されていた
- SNSでティザー投稿を先にしていた
- プレスリリースが転載され、先にネットに出ていた
まずは「いつ」「どこで」「何を」外へ出したかを、時系列で1本にしてください。
メモで十分です。重要なのは“最初の日”が分かる状態にすることです。
あわせて、『公開日』が分かる証拠も確保します。
まずはこの3つだけでも押さえると、後が楽になります。
- URL(SNS投稿/Web掲載ページ)と、投稿日が分かる画面(スクショ)
- 展示会の開催情報(会期・会場・主催が分かるページや資料)
- 配布資料の送付メール(送付日が分かるもの)
ポイント2:公開内容の整理
次は『何を公開したか』の整理です。
ここは完璧さより、まず漏れなく拾う方が大事です。
基準は一つ。見た人がどこまで再現できそうか。この目線で整理します。
迷ったら、下の3つに分けて箇条書きにすると整理しやすいです。
- 構造:写真・図・動画で“中身”が分かる状態だったか
- 手順/条件:作り方・流れ・数値条件・材料まで出ていたか
- 効果:何が良くなるのか(メリット)まで伝わっていたか
SNSと展示会は、同じ製品でも「見せ方」が違いがちです。
投稿本文、写真、動画、配布資料、展示パネルなどをいったん集めて、公開内容を一枚にまとめてください。
思い出せない部分は、当時の資料や動画を見ながらメモで十分です。
ポイント3:しっかり手続する
『公開日』が1年以内で、『公開内容』も整理できたら、最後は手続の段取りです。
公開後に出願する場合、条件を満たせば『新規性喪失の例外』を使って進めることになります。
実務で落としやすいのは、次の3点です。
- 期限:『公開日』から1年以内に出願できるよう、逆算して動く
- 出願時:例外を使う旨の記載・提出を落とさない(出願書類側で対応)
- 出願後:公開日と公開内容を裏付ける『証明する書面』の準備を間に合わせる
また、公開が複数(投稿が複数、展示会が複数、配布資料が複数)の場合は、手続も整理も増えます。
先にポイント1とポイント2で「公開ごと」に分けておくと、手続で迷いにくくなります。
海外も視野に入る場合は、国内と同じ感覚で進めない方が安全な場面があります。
その場合は、早めに方針を固めるのが無難です。
まとめ
SNSや展示会で公開してしまっても、条件次第でまだ手が残ることがあります。
ただし、助かるかどうかは「なんとなく」では決まりません。
まず『公開日』を確定して、公開から1年以内かをはっきりさせます。
次に『公開内容』を整理して、見た人がどこまで再現できそうな状態だったかを押さえます。
その上で『例外手続』を前提に、期限と書類を落とさない形でしっかり手続して出願準備を進めます。
この順番で進めると、ムダなく選択肢を残しやすいです。
もし「もう公開しているかも」と思ったら、
まずは公開の時系列(公開日)と、公開した内容のメモと、手元にある証拠(URL・スクショ・資料)を揃えてください。
それだけで、無料相談での整理が一気に進みます。